小林明子(昭40年商卒)
東葛白門会の幹事長をさせていただいた夫の公司が他界して一年九ヶ月が過ぎました。コロナ禍であり、余り外出できず家の中に長く居る為、夫と旅行したことが良く思い出されます。五十代の頃、アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園の中にある激しく噴き上げる間欠泉や七色に輝く巨大な温泉の湖などを見たくて、夏期休暇を利用し、夫が自分で計画を立て、行けば何とかなるだろうと考え、成田空港を出発し、サンフランシスコを経由してジャクソンホール空港に到着、リムジンバスでモーテルに着きました。
ここまでは順調に来ましたが、ここからが大変でした。公園に行く公共の乗物はほとんどなく、ガイドブックでアメリカ北西部のワイオミング州にある人口八千人位のジャクソンホールから唯一バス便があるだけです。バスは一日一便しかありません。しかもバスがどこからに出るかも確認せず、ジャクソンホールに泊まりました。宿に荷物を置いて、バス停を探し回り、ようやくバスの発着所を発見し、一便しかないバスの出発時間を確認し、ほっとしました。
翌朝早くイエローストーン行の長距離バスに乗り、イエローストーン国立公園に到着。待望の間欠泉は数十メートルも噴き上がり、それはそれは圧巻でした。巨大な温泉の湖はエメラルド色。数々の異なった色でとても神秘的で感動しました。若さゆえの無謀な計画も、このすばらしい景色を見たら一遍に今までの不安や苦しさは飛んでしまい、アメリカの広大さを感嘆し、私たちに深い思い出を残してくれました。